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About The Project
焼山の家
羽を広げた外壁で風と光を取り込む
敷地は広島県呉市の閑静な住宅地。一区画にゆとりがあり、敷地面積はほぼ一様であることから、建物を北側に寄せて南側に庭を配置した住宅が多く見られた。建主の要望は、北側道路以外は住宅で囲まれているため、周辺からある程度のプライバシーを確保したいこと、採光を確保しながら風通しのよい空間にしたいことであった。
この住宅地での建ち方に倣って敷地の南側に庭を配置する場合、居室によっては通風と採光に大きく偏りができる。まず東と西に2つの庭を配置し、これに挟まれるようにヴォリュームを置くことで風の流れを導き出した。東西の庭は隣家に面しており、プライバシーを守るためには大きな塀を立てる必要があるが、境界線に近いため圧迫感を与えてしまうことになる。そこで、羽を広げるように外壁をスライドさせて庭を囲むことで、外壁でありながら塀としての役割を持たせた。この塀は仕上げに木製ルーバーを採用して、傾きを東西それぞれの環境に合わせることで、採光と通風をコントロールする機能も持たせている。
高い塀などで敷地境界線を囲むこと以外で、隣家からの見え方も含めてどのようなプライバシーを守る環境をつくるべきか、その回答のひとつとして生まれた形態は、街並に対して程よい開放感を生み出しているのではないかと考えている。
Date. | 2016.12 |
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Principal use. | 住宅 |
Location. | 広島県呉市 |
Structure. | 木造2階建て |
Site area. | 244.37㎡ |
Total floor area. | 120.61㎡ |
Photo. | 矢野 紀行 |
Assistant | 小松 涼子 原田 豊嘉 |
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Construction | 段原建設 |
Structural design | ジムネ構造空間研究所 皆川 宗浩 |
Award | 第24回 呉市美しい街づくり賞 奨励賞 |
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