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About The Project
江波の家
環境と建築を繋ぐ接庭
広島市内に建つ設計者の自邸。敷地は目の前の江波山を貫通するトンネルとその擁壁によってほとんどが日影で覆われており、そのため周辺地域の中ではどこか扱いづらく、取り残された場所のように見えたが、市街地とは思えない緑豊かな環境の広がりはそれ以上の魅力に感じられた。
この環境と建築を繋ぎたい。そのためには建物内から見える遠景を取り込むだけでなく、自らつくりだした近景を重ねることで、建築、周辺環境、庭が一体的に繋がる関係を生み出せないかと考えた。まず地表面を生活の主体として考えてみると、目の前に擁壁があるため建築と緑の連続性は生まれそうにない。擁壁の高さを計測したところ、緑豊かな景色は地面からおよそ4mから一望できることがわかった。2階を生活の主体とし、内外の境界に植栽で満たされた半屋外の場をつくり、そこを「接庭(つぎにわ)」と定義した。接庭は、地面からの高さを4m程度とすることで遠景の江波山と水平に重なり、内部からは奥行きのある風景が生み出された。また、接庭の植栽に日光が行き渡るように、南と東方向に床を伸ばすことで雁行した形状となり、結果として日射しや隣地からの視線を緩やかに調整するこに繋がった。
さらに建築と植栽が絡み合った外観となることで、建築と南側の遠景が重なり合い、街並みに新たな緑の風景をつくりだすことができたのではと考えている。
Date. | 2019.11 |
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Principal use. | 住宅 |
Location. | 広島県広島市 |
Structure. | 木造2階建て |
Site area. | 196.12㎡ |
Total floor area. | 114.26㎡ |
Photo. | 矢野 紀行 |
Assistant | 小松 涼子 |
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Construction | ホームテック |
Structural design | 堀江構造設計事務所 |
Landscape | Neat Garden 伊谷 純 |
Furniture | arflex |
小松事務所オリジナル | |
Kitchen | 松岡製作所 |
Press | 新建築 住宅特集 2021年8月号 モダンリビング特別編集「建築家の自邸50」 architecturephoto.net I'm home no.117 2022 May I'm home no.123 ,no.124 |
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Award | 第13回JIA中国建築大賞2021 奨励賞 第18回ひろしま街づくりデザイン賞 住宅部門賞 |