HAYATO KOMATSU ARCHITECTS

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古市の家

House in Furuichi

HouseRenovation

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About The Project

古市の家

既存建物の豊かさを顕在化させる

広島市内に建つ築40年程のコンクリート造3階建の戸建て住宅を二世帯住宅に改修する計画。
交通量の多い幹線道路からひとつ裏手に入った住宅地に位置し、敷地の南側には古くからの竹林が見える。南風と共に聞こえてくる竹林の音がとても心地よい。世帯の分け方は1階と2階の半分を親世帯、2階の半分と3階を子世帯となり、子世帯エリアを主に改修した。

既存建物は1.5坪程の中庭があるロの字型の平面プランで、この中庭が採光と風通しの確保に大きく貢献していると予測できたが、過去の建て増し時に屋根で覆われて中庭が室内化されている。まず当時の風通しを取り戻すべく、中庭の屋根を開閉式の天窓にかけ直して平面計画の良さを取り戻した。天井裏を覗いてみると、コンクリート梁の掛け方に特徴があることが確認でき、ロの字型プランを象徴するような梁の掛け方であるため、このまま天井材で塞ぐのではなく躯体をそのまま現すことにした。40年ぶりのお披露目となる。それ以外の設えとしては、間仕切りを整え、状態の良い既存仕上げはそのまま活用し、取り替えた仕上げは既存と違和感なく混ざり合うものを選定するという最小限の操作に留めた。もともとの既存建物の風の抜けや光の取り込み方の豊かさを改修によって顕在化させることが、この住宅にとって最大の効果を生むことを確信したからである。この場所に流れる緩やかな空気感をそのまま内部に取り込んだような住宅は、これからも豊かな生活が実現できるだろう。

Date.2022.01
Principal use.二世帯住宅
Location.広島県広島市
Structure.コンクリート造
Site area.385.64㎡
Total floor area.272.90㎡
Photo.矢野 紀行
Assistant 蝶野 慎明
Construction CozyCozy