縦横に広がる構成で光と風を取り込む

広島市内の閑静な住宅街に建つ３階建て木造住宅です。
北側隣地の駐車場も住宅が建つ可能性もあり、将来前面道路以外の三方は住宅によって囲まれると予測されます。周辺環境に対して守られた住まい方を選択をする中でいかに開放的に外部とつながるべきかがこの住宅のテーマとなりました。
直接外部に対して開口部を配置しても周辺建物と視線が交錯するため、東西それぞれに大きく開口部を配置し、東側開口部は前面に外壁及び軒で囲まれたテラス１を、西側開口部は前面に壁で囲まれた出窓状のテラス２を設けました。テラス１は東からの直射光を白い床と外壁を介して光を室内に回り込ませています。テラス２は南からの直射光を白い外壁を介して間接光に変換し、室内に安定した光を取りこみました。さらにテラス１と２は、心地よい風を東西方向に通す役割を果たし、LDK吹抜部に設けた開口部と合わせて上下方向にも風を通しています。構造は1階は2台分の駐車スペースを確保するために門型のフレームに方杖を加えて補強し、このフレームを連続させていくことによって、木造でありながら大スパンを実現させています。