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About The Project
松前の家
風向によって導き出された2つの庭と田園風景のつながり
松山市の郊外地となる、のどかな田園風景が広がる地域に建つ住宅。
豊かな田園風景が永続的に続くのか不確定要素もあるため、建物がこの風景に対してすべて依存することなく、自ら育てていく風景と共存させることが必要と思われた。まずこの地域の風向は年間を通して東西方向に流れるため、敷地の東西にそれぞれ庭となるスペースを配置することで風道を確保した。居住スペースは南北面を閉じるかわりに東西面に開口し、滞在時間の長い居室は2つの庭に挟まれる配置としている。西側の庭は外壁に囲まれ間接光を取り込む涼庭、東側の庭は壁及び天井をガラスで囲んだ暖かいインナーテラスとしての庭、この温度差のある2つの庭が温度差換気となり、空気循環を促すことで心地よい風を室内に送り込んだ。このインナーテラスは、夏季は構造梁と可動式テントにより日射をコントロールし、冬季はサンルームとなり日照によって暖められた空気を室内に送り込む役割を果たしている。さらに北側の田園風景をトリミングすることで、中庭と田園風景の2つの景色をコラージュさせた新しい風景が生まれ、廊下と階段を加えることで樹木に囲まれた中で風景を楽しめる移動空間となった。今後の生活において、2つの庭による穏やかな熱環境の調整が、同時に周囲の風景と多様で心地よい関係性を育んでいくことを期待している。
Date. | 2011.11 |
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Principal use. | 住宅 |
Location. | 愛媛県伊予郡松前町 |
Structure. | 木造2階建て |
Site area. | 494.98㎡ |
Total floor area. | 122.58㎡ |
Photo. | 矢野 紀行 |
Construction | 日吉産業株式会社 |
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Structural design | ジムネ構造空間研究所 皆川 宗浩 |
Furniture | マルニ木工 |
小松事務所オリジナル | |
Kitchen | 小松事務所オリジナル |
Press | dezeen magazine Landscape World |
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