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About The Project
今西の家
風景に寄り添う地形のような住まい
今治市西部の静かな田園地帯に位置し、親族から受け継がれた土地に新たな住まいを描く計画である。風が稲穂を揺らし、遠くの山並みがゆるやかに地平を形づくる、その豊かな外部環境は、この住宅が開くべき方向性を静かに示している。しかし同時に、敷地の近くには幹線道路が走り、周囲との距離感や視線の扱いが慎重に求められる場所でもあった。
まずこの住宅はまず南へ向けて大きく開く。そこに据えられたリビングは、光と景色を受け止める中心としてあり、周囲の諸室が半階上がったレベルでそれを包み込む。視線の高さがずれることで、外へ開く感覚と、内部に守られる感覚が同時に立ち現れ、住まいの中にひとつの地形のような風景が生まれている。
東と西にも開口を連続させ、視線の抜けはひとつの方向に依存せず、時間の移ろいとともに変化する風景を受け入れていく。開口に沿って設けたテラスは、内部と庭をやわらかく媒介し、とりわけ南側の深い庇の下では、内と外の境界が曖昧になり、季節や天気に応じて居場所が移動するような滞在が可能となる。
「開く」ことと「守る」こと。相反するはずのふたつの要素は、この住宅において矛盾ではなく、むしろ風景を読み解き、暮らしに寄り添うための両輪として扱われた。環境を受け入れながら、同時に静かに身を寄せられる場所──この住まいは、その間に揺らぐ余白のような存在でありたいと願っている。
| Date. | 2024.03 |
|---|---|
| Principal use. | 住宅 |
| Location. | 愛媛県今治市 |
| Structure. | 木造2階建て |
| Site area. | 344.83㎡ |
| Total floor area. | 165.49㎡ |
| Photo. | 矢野 紀行 |
| Assistant | 棗田 直路 |
|---|---|
| Construction | 日吉産業 |
| Structural design | 堀江建築設計事務所 |
| Landscape | Momohanaya |





















