House in Takatori
敷地は広島市外周を通る沿線から一つ奥へ入った閑静な住宅地。敷地の東面以外は住宅などで囲まれていますが、東方向は宅地から切り離された緑地帯として存在し、多少建物は見えるものの空まで視線の抜けた穏やかな景色でした。
南に面する建物は敷地側に寄せて建てられている現状から、冬期は敷地内がほとんど日影となることが予測できたため、南側に庭をつくるのではなく緑地帯とのつながりを考慮して東側に庭を配置しました。建物は敷地と沿うように形を雁行させたプラン。その形によって生まれた余白がテラスとなり、光を取り込む屋根を掛けることにより外部と内部をつなげる心地よい半屋外エリアとなっています。東から入ってくる風は吹抜けを通りトップライトへ抜けていき、またトップライトはハイサイドの窓と合わせて安定した光を取り込んでいます。居室はすべて東面とつながるように配置。2階のせり出した子供室からは吹抜け越しに1階とつながります。
景色とつながり、風を通し、光を取り込む。この敷地に寄り添った心地よさが体現できた住宅となりました。